9月定例会で可決した決議・意見書
最終更新日:2024年11月15日
遠藤市長に対する問責決議
これまで、本市においては、1,000席以上の公共ホールが存在しないという状況が長きにわたって続いており、文化・芸術に触れる機会を創出する新ホールの早期整備を求めて、文化団体や専門家だけでなく、多くの市民・県民からも要望が行われてきた。
そのような中、前市長と前知事が、令和3年3月に、新ホール整備に関する基本協定を締結し、旧文化センター跡地から旧徳島中央警察署敷地までを対象地とし、県市協調新ホールとしての整備を進めてきたものである。
しかし、昨年、新ホール建設案の見直しを訴えて当選した後藤田知事は、新ホールの建設場所を藍場浜公園に変更する案を示し、遠藤市長においても、知事が打ち出した新ホールを含む徳島駅周辺のまちづくり案について、県・市協調で進める方針を示しており、現行の基本協定に基づく新ホール整備を求める意見に対しては、これまで、議会や市民の声を十分に聞いた上で、県との協議に取り組むとの説明を繰り返してきたところである。
にもかかわらず、去る9月14日、市長は知事と会談を行い、藍場浜公園・西エリアにおいて新ホールを整備するという知事の提案に「合意」したことは、これまでの議会に対する説明に反するものである。9月25日には、全員協議会において、市長の「徳島市長である私個人として同意したもので、市としての合意ではない」との発言を受け、議長は「市長の言動により議会が混乱したのは事実であり、議会と市民の声に十分に耳を傾け、合意形成に努めるよう」求めたが、10月4日の総務委員会においては、一転して「執行機関の判断」と修正するなど、今後の方針に対する整合性が見てとれない。
また、知事においては、会談の結果を基に藍場浜公園での新ホール整備を進める方針を表明し、県議会定例会最終日の10月8日に、関連予算案を追加提出するとしており、県・市間で認識の差が生じている。
加えて、会談日は定例会の会期中であり、翌週の17日には所管の総務委員会での審査を控えた状況であるにもかかわらず、知事の提案を持ち帰って議会に諮ることもなく、僅か30分という短時間の協議によって、市長の一存で決定したことは看過できない行為であり、二元代表制の下、議会軽視の最たるものであると断じざるを得ない。このような状況において、9月定例会の会期の延長や委員会の紛糾など、議会に混乱を招いた要因は、市長の言動に起因するものである。
よって、本市議会は、遠藤市長に対し、議会を軽んじた県との「合意」について猛省を求めるとともに、地方自治の本旨を否定しかねない独断専行による行政運営について、市長としての政治的・道義的責任を強く問うものである。
県市協調新ホール整備に向けた慎重な対応を求める意見書
徳島県と徳島市は、長年にわたる懸案である新ホール整備について、令和3年3月に「県市協調新ホール整備基本協定」を策定し、県都のランドマークとして全国に誇ることのできるホールの建設に向け、手を携えてきた。
全国の都道府県で唯一、1,000席以上規模の公共ホールがない本県の現状に鑑みても、一日も早いホールの完成は多くの市民・県民の願いであり、その実現に向けて進めていくことは喫緊の課題である。
しかし、今般、後藤田知事が示した、新ホールの建設地を現計画の旧文化センター跡地から藍場浜公園に変更する取組方針をめぐっては、合意形成について知事と市長の間で認識に相違が生じており、市議会の今期定例会において混乱や紛糾を招いた。
そもそも、県は、藍場浜公園への建設地変更は、徳島駅北側の車両基地移転に伴う「玉突き」によるものと説明してきたにもかかわらず、ここに至って、両者は無関係であると唐突に方針を変えている。現計画と比較して、費用面での優位性、施設の特色等について十分な説明もなされておらず、藍場浜公園案ありきであったかのように捉えざるを得ない。
また、本市が、現計画に係る市有地の無償譲与と市有施設の解体に要した費用を合わせた約15億円を補償するため、県において設置を検討されている基金についても、土地や費用の返還による対応を求める意見もある。
そのような中、県議会では、今期定例会で新ホール整備に関する緊急質問の動議や、関連予算提出に伴う公聴会開催を求める動議がいずれも否決されている。
県内の主要文化・芸術団体や地元住民の間でも賛否両論の中、一日も早いホール完成に固執し、性急に事業を進めるあまり、かえって完成が遅れることになっては本末転倒であるばかりか、今後このような状況が続き県・市協調に綻びが生じれば、新ホール整備のみならず、その他の施策や事業にも支障を来すおそれがある。本市と徳島県は将来にわたってあらゆる面で県・市協調を維持し、緊密に連携しながら、共に歩んでいかなければならない。
よって、徳島県においては、県市協調新ホール整備事業を進めるに当たり、県民・市民に十分に説明するとともに、県・市両議会の意見をしんしゃくし、慎重かつ丁寧な対応を取られるよう強く要望する。
県市協調新ホール整備に係る行政手続に関する決議
本市において、新ホール整備事業は四半世紀以上もの長きにわたる懸案事項であり、建設地や施設規模が二転三転しながら、全国都道府県の中で唯一、1,000席以上規模の公共ホールがないという状況が続いており、新ホールの早期建設は、市民・県民共通の願いである。
そのような中、市民会議、パブリックコメント手続等で市民の声を聞き、有識者や専門家の意見を踏まえ、議会にも報告しながら、新ホールの場所、規模、仕様、環境等を具体的に盛り込んだ「県市協調新ホール整備基本計画」が定められ、これに基づいて、令和3年3月、前市長と前知事により、旧文化センター跡地を建設地とする「県市協調新ホール整備に関する基本協定」が締結された。
それ以来、市は旧文化センター跡地の市有地を徳島県に無償譲与するとともに、中央公民館と社会福祉センターの解体、跨線橋の撤去等を行い、県市協調の下で事業を進めてきたところである。
しかし、後藤田知事はかかる経緯を踏まえず、議会や市民に対する十分な説明も行わないまま、遠藤市長とのトップ会談において新ホールの建設地を藍場浜公園に変更する取組方針を示した。
さらに、建設地の変更は徳島駅北側の車両基地移転に伴う「玉突き」によるものとのこれまでの説明を唐突に覆し、両者は無関係であると表明し、10月8日の県議会定例会最終日に、新ホール整備関連予算議案を追加提出する方針である。
これにより、新ホールが藍場浜公園で建設される可能性が極めて高くなり、市は現在の協定を改定することで対応するとしているものの、現在の協定が想定する新ホールとは、建設地、規模等の大前提が既に別物である。
また、現在の協定に基づいて市が県に無償譲与した旧文化センター跡地の市有地についても、建設地の変更により用途を失い、宙に浮いた状態となっている。
よって、市においては、今後県と共に県市協調新ホール整備事業を進めるに当たり、行政の踏むべき適切な手続として、次の措置を講じられるよう強く要望する。
1 現在の「県市協調新ホール整備基本計画」に基づいて締結された「県市協調新ホール整備に関する基本
協定」を白紙に戻すとともに、今後も県市協調で新ホール整備に取り組むのであれば、新たなまちづくり
計画策定を前提とした議論を進めること。
2 現在の「県市協調新ホール整備に関する基本協定」に基づいて市が県に無償譲与した旧文化センター跡
地の市有地について、早急に財産譲与契約を解除するとともに、所有権移転に向けた手続を進めること。
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