更新日:2023年1月5日
地方自治制度においても、国政と同様に、地方公共団体の住民によって選挙された代表者により行われる間接民主制を原則としていますが、この運営が住民の意思に反して行われようとした場合に、間接民主制に伴う欠陥を補完し、住民自治の理想を実現するために、住民に直接自己の意思を表示する機会を与える直接請求制度があります。
地方自治法の定めている直接請求は、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者が一定の連署をもって、その代表者から請求するもので、次のものがあります。
このほか、他の法律によって同種の制度が認められているものに、次のものがあります。
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の長に対して、条例の制定又は改廃の請求をすることができます。
請求代表者は、請求の要旨など必要な事項を記載した請求書を添え、市長に対し、文書で請求代表者証明書の交付を申請します。
交付申請があったときは、市長は直ちに選挙管理委員会に対し、請求代表者が選挙人名簿に登録されている者か確認し、登録されている場合は、請求代表者に証明書を交付し、その旨を告示します。
請求代表者は、請求者署名簿に以下の書類を添付して、市の議会の議員及び長の選挙権を有する者に対し、署名を求めます。
署名の収集期間は、1カ月以内と定められています。請求代表者は、自ら署名を収集するほか、選挙権を有する者に委任して署名の収集をさせることもできます。その場合には、署名簿に署名収集委任状の添付も必要です。
請求代表者は、署名数が法定署名数以上の数となったときは、署名簿を選挙管理委員会に提出して、署名した者が選挙人名簿に登録されている者であることの証明を求めます。
署名簿の提出は、署名収集期間の満了の日の翌日から、市町村にあっては5日以内です。
選挙管理委員会は、署名簿を受理したときは、その日から20日以内に署名簿について審査し、署名の有効・無効を決定し、かつその旨を証明します(署名審査録を作製する)。
また、署名した者の総数及び有効署名総数を告示します。
選挙管理委員会は、署名簿の証明が終了した翌日から7日間、指定した場所において、署名簿を関係人の縦覧に供します。署名に関し異議がある関係人は、縦覧期間中に異議の申出をすることができます。
選挙管理委員会は、異議の申出を受けたときは、その日から14日以内にその申出が正当であるか、又は正当でないかを決定し、修正や通知などの措置をします。
選挙管理委員会は、異議の申出が全くないとき又はすべての異議を決定したときは、有効署名総数を告示し、署名簿を請求代表者に返付します。
返付の際には、署名簿の末尾に署名した者の総数、有効署名総数及び無効署名総数を記載します。
本請求は、署名簿の返付を受けた日から5日以内に、条例制定(改廃)請求書に50分の1以上の有効署名があることを証明する書面及び署名簿を添えて、市長に対し条例制定(改廃)の請求をします。
市長は、署名簿の署名数が法定署名数以上か、請求が期間内に提出されたかを審査し、受理するか否かを決定します。受理したときは、その旨を請求代表者に通知するとともに告示し、かつ公表することになります
市長は、請求を受理した日から20日以内に議会を招集し、意見を付して議会に付議し、その結果を請求代表者に通知するとともに公表することになります。
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の監査委員に対して、監査の請求(事務監査請求)をすることができます。
請求代表者証明書の交付申請から本請求にいたる手続きの流れは、次の点を除き、「条例制定(改廃)の請求」の手続きと全く同じです。
監査委員は、監査の請求があったときは、直ちに請求に係わる事項につき監査し、その結果を請求代表者に通知するとともに告示し、かつ公表することになります。
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の3分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の選挙管理委員会に対して、議会の解散の請求をすることができます。
ただし、この議会の解散請求は、当該議会議員の一般選挙又は議会の解散請求に基づく解散の賛否投票が行われた日から1年間は行うことができません。
請求代表者証明書の交付申請から本請求にいたる手続きの流れは、次の点を除き、「条例制定(改廃)の請求」の手続きと全く同じです。
選挙管理委員会は、本請求を受理したときは、解散の賛否投票に先立って、20日以内に議会から弁明書を徴します。この弁明書は解散投票の投票期日の告示の際に同時に告示し、請求の要旨と併せて投票所の入口等に掲示します。
解散の賛否投票は、本請求の受理の告示日から60日以内に、原則として公職選挙法の定める手続きによって行います。
議会は、解散の賛否投票において過半数の同意があったときは、解散することになります。
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の3分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の選挙管理委員会に対して、当該所属の選挙区の議会の議員又は長の解職の請求をすることができます。
ただし、この解職請求は、当該議員又は長の就職の日から1年間及び解職の賛否投票の日から1年間は行うことができません。(無投票により当選した者は除きます。)
請求代表者証明書の交付申請から本請求にいたる手続きの流れは、「議会の解散請求」の手続きと全く同じです。
解職の賛否投票は、本請求の受理の告示日から60日以内に、原則として公職選挙法の定める手続きによって行います。
議会の議員又は長は、解職の賛否投票において過半数の同意があったときは、職を失うことになります。
地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の3分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の長に対して、副知事若しくは副市長、選挙管理委員若しくは監査委員又は公安委員会の委員の解職の請求をすることができます。
ただし、この解職請求は、副知事又は副市長にあっては、その就職の日又は解職請求に関する議会の議決の日から1年間は行うことができません。
また、選挙管理委員若しくは監査委員又は公安委員会の委員にあっては、その就職の日又は解職請求に関する議会の議決の日から6か月間は行うことができません。
この解職請求は、住民の賛否投票に付するものではなく、長が議会に付議し、当該議会において議員の3分の2以上の者の出席により、その4分の3以上の者の同意があったときに解職されるものです。
請求代表者証明書の交付申請から本請求にいたる手続きの流れは、「条例制定(改廃)の請求」の手続きと全く同じです。
市長は、本請求を受理したときは、これを議会に付議し、その結果を請求代表者及び被解職請求者である関係者に通知し、公表します。
徳島市選挙管理委員会事務局
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