更新日:2016年4月1日
人と自然の関係を豊かにする河川構造物を目指す。
土木工学、生態系、水循環、空間利用、堤防、魚道といった多様な観点から、第十堰の現状と意義を探った。
第十堰は250年前に建造された歴史的建造物であり、特に上堰には青石組が多く残されている。
人と自然の豊かな関係を築いてきた。
このことから、計画水位は計画高水流量毎秒19000m3が流れた場合、水位は計画高水位を超えないものと考えられる。
また、堰を撤去しても、計画高水流量毎秒19000m3のような大きな流量の場合においては、水位低下は少ないことから、堰撤去による治水効果は小さいものと想定される。
* 以上、部分的に補修を要する箇所はあるが、治水・利水上の問題から第十堰を全面改築する必要性は認められない。
* 第十堰保全事業案としては、原則として上堰はそのまま保存し、下堰については、補修しながらそのまま利用する案と環境改善や歴史的建造物の復元、治水安全性の向上を目的に改修する案に大別できる。さらに改修案は、部分改修案と全面改修案に大別される。
* よって以下の3つの案が考えられる。どのような観点に立つかによって選択される案は異なる。
* 必要が生じたときに、具合の悪いところだけを補修する案(事業費22億円)
* 上堰から下堰左岸にかけて、歴史的建造物の復元、景観の向上、環境影響の軽減を目的として改修を行う。下堰左岸部には県管理時代の問題箇所(根浮き、空洞化など)が多く存在する。上堰の下流部の改修を併せて行う案(事業費52億円)
部分改修に際しては可能な限り堰高を切り下げ、貯水量の減少や堰表面の勾配を緩くすることによって環境への影響の軽減を図る。
* より大きな治水上の効果、景観や歴史的建造物の復元などを目的として、部分改修案に加え、下堰の右岸総延長400mを併せて下堰全延長を改修する案(事業費72億円)
注 「吉野川可動堰計画に代わる第十堰保全事業案と森林整備事業案の研究成果報告書」の取り扱いについては、本市はこの代替案を精査し、国が行う吉野川河川整備計画において意見を求められた場合に、この報告書を尊重し意見を述べることになります。
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