更新日:2021年5月7日
徳島市では、一宮町に所在する一宮城跡の国史跡指定に向けた総合調査を進めています。
一宮城は、阿波守護の子孫である小笠原長宗が暦応元年(1338)年に築いたと伝えられ、その後小笠原氏の子孫である一宮氏が代々居城としてきました。戦国時代には細川氏、三好氏、長宗我部氏の攻防の舞台となったのち、阿波を制圧した長宗我部元親が入城し、豊臣秀吉の四国平定に対する防衛の拠点としました。天正13年(1585)には四国平定をなしとげた秀吉により阿波国を与えられた蜂須賀家政が入城し、阿波支配の拠点とします。家政は石垣などの整備を行いますが、翌年徳島城へと本拠を移し、一宮城跡は阿波九城のひとつとなります。その後元和の一国一城令を受けて廃城され、城としての役目を終えました。
眼下に鮎喰川を臨み、背後を急峻な山地に囲まれた天然の要害で、標高144mの本丸を中心に明神丸、才蔵丸、小倉丸などの曲輪やそれらを防御する竪堀、土塁などが残された徳島県最大規模の山城で、阿波の中近世の歴史を語るうえで欠かすことのできない重要な遺跡です。
昭和29年に県史跡の指定を受けた一宮城跡は、現在地元保勝会の環境整備活動により年間通じて見学しやすい環境となっています。
また、平成29年には(公財)日本城郭協会より「続日本100名城」の選定を受け、全国から見学者が訪れています。
本丸に残る石垣
平成29年度から調査指導委員会の指導のもと、山城部分の発掘調査を実施しています。
平成30年度と令和元年度には、発掘調査成果を広く一般に公開する現地説明会を開催しました。
令和2年度には、発掘調査成果の地元向け説明会を開催しました。
現地説明会の様子
令和元年度に航空レーザー測量を行い、地形図を作成しました。
航空レーザー測量とは、上空からレーザーを照射して地形を計測するものです。
調査指導委員会の指導のもと、一宮城跡の石垣、縄張り、地籍図、文献などの調査を実施しています。
徳島市教育委員会 社会教育課
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